本記事では、AMD Ryzen(ライゼン)のCPUの選び方について詳しく解説します。
特に、第4世代と第5世代の選択に迷っている方へ、それぞれの特性や用途、価格を比較し、どちらを選ぶべきかの指針を提供します。
これから新しいパソコンを組み立てる方、あるいはアップグレードを考えている方の一助となれば幸いです。
Ryzen CPUの概要

Ryzenとは、AMDが開発したCPUの一つです。性能や価格、用途によって選び方が異なります。
Ryzenの特徴
RyzenのCPUは、以下の特徴があります。
- 高性能:ゲーム、動画編集、3Dレンダリングなどの高負荷タスクに対応
- 価格:競合他社に比べてコストパフォーマンスが高い
- マルチコア:多くのコアを持つモデルが多い
Ryzen CPUの型番の読み方
AMDのRyzen CPUの型番は、その製品の性能と位置付けを表すためのものです。具体的な型番の解釈方法は以下の通りです。
製品ライン
RyzenはAMDの製品ラインの一つで、一般的に高性能を求められるユーザー向けです。Ryzenにはいくつかのサブカテゴリがあります。
Ryzen 3 | エントリーレベルのユーザー向け |
Ryzen 5 | メインストリームのユーザー向け |
Ryzen 7 | エンスージアストやプロフェッショナルユーザー向け |
Ryzen 9 | 最高の性能を求めるユーザー向け |
CPUの世代
Ryzen製品の型番の次の数字はその世代を示します。
Ryzen 5 3XXX | Ryzen 5の第3世代 |
Ryzen 5 5XXX | Ryzen 5の第4世代 |
Ryzen 5 7XXX | Ryzen 5の第5世代 |
モデル番号
その後の数字は製品内の位置付けを示します。通常、数字が大きいほど性能も高くなります。例えば、Ryzen 5 3600はRyzen 5 3500よりも高性能です。
サフィックス (末尾のアルファベット)
型番の末尾にはさまざまなサフィックスがつくことがあります。これらは製品の特性や特別な機能を示します。以下にいくつかの例を挙げます。
デスクトップ向け | 記号なし | 通常モデル |
X | 高性能モデル | |
G | GPU内蔵モデル | |
GE | GPU内蔵の省電力モデル | |
ラップトップ向け | U | GPU内蔵の低消費電力モデル |
HS | GPU内蔵の中性能モデル | |
H | GPU内蔵の高性能モデル | |
HX | GPU内蔵の最高性能モデル |
型番の読み方まとめ
上記の要素を組み合わせることで、AMDのRyzen CPUの型番が形成されます。
Ryzen 7 3700X | Ryzen 7製品ラインの3世代で、その中でも700番台のモデルの高性能版 |
Ryzen 7 5700X | Ryzen 7製品ラインの4世代で、その中でも700番台のモデルの高性能版 |
Ryzen 9 7950X3D | Ryzen 7製品ラインの5世代で、その中でも950番台のモデルの高性能版、さらに3D V-Cacheを採用 |
「3D V-Cache」というAMDが開発した革新的なCPUキャッシュメモリ技術を採用しているモデルです。この技術は、チップ上の複数の層を通じてキャッシュメモリをスタック(積層)することにより、CPUの性能を大幅に向上させられます。
第4世代と第5世代の違い

ここでは、第4世代と最新の第5世代のRyzen CPUの特徴をまとめます。
第4世代 Ryzen CPU | 第5世代 Ryzen CPU | |
---|---|---|
ソケット形状 | AM4 | AM5 |
アーキテクチャ | Zen 3 | Zen 4 |
性能 | 高性能 | 最高の性能 |
マルチタスキング | 対応 | 対応 |
価格 | 比較的低価格 | 比較的高価格 |
メモリ対応 | DDR4 | DDR5 |
統合グラフィックス | 一部のモデル | 一部のモデル |
PCIeサポート | PCIe 4.0 | PCIe 5.0 |
第4世代と第5世代の互換性
第5世代のRyzenは、ソケット形状がAM5に変更され、前世代のAM4とは互換性がありません。また、DDR5メインメモリに対応し、DDR4メモリはサポート外となります。

まとめ|どちらの世代を選ぶべき?

第4世代と第5世代、どちらのRyzen CPUを選ぶべきかは、用途と予算によります。
第5世代は性能が高いですが、CPUや対応するマザーボード、メモリの価格が高く、コストが高くなります。一方、第4世代はコストパフォーマンスが優れます。
予算が厳しい状況や高性能CPUが不要な場合は、第4世代のCPUが適しています。一方で、最新のゲームを滑らかにプレイしたい、またはこの先数年後も快適にプレイしたいと考えている場合は、第5世代のCPUを選択することをお勧めします。