Logicoolの静音マウス『M240』は、その手頃な価格と静かなクリック音で人気のモデルです。しかし、特定のアクセサリー、特にガラス製のマウスパッドと組み合わせた際に「カーソルが動かない」「反応が悪い」といった問題に直面することがあります。
この記事では、私が実際に試した経験から、Logicool M240とガラスパッドの相性がなぜ悪いのか、その科学的な理由を深掘りします。さらに、ガラスパッドを快適に使いたい方に向けて、私が自信を持っておすすめする最適なマウスもご紹介します。この記事を読めば、あなたのデスク環境はより快適でストレスのないものに変わります。

Logicool M240がガラスパッドで動かない科学的な理由
Logicool M240がガラスパッドの上でうまく機能しないのには、マウスの基本的な仕組みに理由があります。これは故障ではなく、技術的な特性によるものです。
M240が採用する「光学式センサー」の仕組み
M240に搭載されているのは「スムーズオプティカルトラッキング」という、いわゆる光学式センサーです。このセンサーは、マウスの底面からLED光を照射し、その光の反射を小型カメラで連続的に撮影しています。
撮影した画像を比較して、表面の模様(テクスチャ)がどちらの方向にどれだけ移動したかを瞬時に計算し、パソコン画面上のカーソルを動かす仕組みです。つまり、センサーが「見る」ための微細な凹凸や模様が、マウスパッドの表面に必要不可見です。
ガラスパッドの表面が光学式センサーに不向きなワケ
問題はガラスパッドの表面特性にあります。一般的なガラスパッドは、非常に滑らかで均一な表面を持っています。
この滑らかさが、光学式センサーにとっては最大の敵です。センサーが読み取るべき微細な凹凸や模様が存在しないため、カメラは変化のない、のっぺりとした画像しか捉えられません。結果として、マウスがどれだけ動いたかを検知できず、カーソルが動かなくなってしまうのです。
M240は欠陥品ではない|想定されている利用シーン
M240がガラスパッドで動かないからといって、決して欠陥品ではありません。このマウスは、一般的な木製のデスクやラミネート加工されたテーブル、そして布製のマウスパッドといった、ごく普通の環境で最大限の性能を発揮するように設計されています。
その静音性やコストパフォーマンスの高さから、オフィスや家庭での日常的な使用を主なターゲットとしています。ガラスパッドのような特殊なアクセサリーは、残念ながらその想定の範囲外なのです。
ガラスパッドとの相性だけじゃない!M240のメリット・デメリット
私が実際にM240を使用してみて感じた、良い点と悪い点を正直にレビューします。ガラスパッドとの相性問題以外にも、注目すべき特徴があります。

私が感じたM240のメリット
M240は多くの利点を持つ、非常に優れたマウスです。特に以下の点は、多くのユーザーにとって魅力的でしょう。
驚くほどの静音性
M240の最大の特長は、その静かなクリック音です。ロジクール独自の「SilentTouchテクノロジー」により、クリック感を保ちながら音を90%も削減しています。私が実際にオフィスで使った際も、隣の席の同僚に全く気付かれないほど静かで、集中して作業に取り組めました。
優れたコストパフォーマンス
2,000円台という手頃な価格で、信頼性の高いロジクール品質を体験できるのは大きな魅力です。Bluetooth接続でセットアップも簡単、箱から出してすぐに使える手軽さは、多くの人におすすめできます。
アルミパッドとの相性は抜群
ガラスパッドとは対照的に、アルミ製のマウスパッドとの相性は抜群でした。硬質で滑らかなアルミニウムの上を、M240は非常にスムーズに滑ります。見た目もスタイリッシュなので、デスク周りのデザインにこだわりたい方には良い組み合わせです。
長い電池寿命と手軽さ
単三電池1本で最大18ヶ月も使用できるため、頻繁な電池交換の手間がかかりません。ワイヤレスなのでデスク上がすっきりするのも、嬉しいポイントです。
私が感じたM240のデメリット
一方で、特定の環境下ではデメリットも存在します。購入前にこれらの点も把握しておくことが重要です。
ガラスパッドでは全く使えない
この記事のテーマでもある通り、ガラス製のマウスパッドの上ではカーソルが一切反応しません。これはM240の光学式センサーの仕様上、避けられない問題です。ガラスパッドの利用を考えている方は、M240の選択は避けるべきです。
滑走音が気になる場合も
クリック音は非常に静かですが、アルミパッドのような硬いマウスパッドの上で滑らせると、「サー」という滑走音が発生します。静かな環境では、この音が少し気になるかもしれません。静音性を最優先するなら、布製マウスパッドとの組み合わせが最適です。
マウスソールの摩耗
マウスの裏についている滑りを良くするためのパーツ「マウスソール(フィート)」は、消耗品です。特にアルミニウムのような硬いパッドの上で長期間使用すると、布製パッドよりも摩耗が早まる傾向があります。
ガラスパッドを快適に使う!私が選んだ最適解マウスとは
では、スタイリッシュで滑りの良いガラスパッドをどうしても使いたい場合、どのようなマウスを選べばよいのでしょうか。私がたどり着いた結論と、おすすめの代替マウスを紹介します。
なぜガラスパッドに対応できるマウスがあるのか
M240が対応できないガラスの上で、なぜ他のマウスは動作するのでしょうか。それは、センサーの技術が根本的に違うからです。
ガラス対応マウスの多くは、「レーザーセンサー」や「高性能光学センサー」を搭載しています。
- ロジクール Darkfieldレーザーセンサー|ガラス表面の微細なホコリや傷をレーザーで検出する技術です。
- Razer Focus Pro光学センサー|非常に高感度な光学センサーで、微細な表面の違いを認識してガラス上でも追従します。
これらの高性能センサーは、M240の標準的な光学センサーでは見えない特徴を捉えることができるため、ガラスのような透明で滑らかな表面でも正確に動作するのです。
私のガラスパッド最適解|エレコム M-TM10BBの紹介
高性能なマウスは確かに魅力的ですが、価格も1万円を超えるものがほとんどです。そこで私が様々なマウスを試した結果、最終的に行き着いたのがエレコムの『M-TM10BB』です。
このマウスは「BlueLED」というセンサーを搭載しており、従来の光学式(赤色LED)よりも波長の短い青色光を使うことで、より小さなホコリや凹凸を認識できます。その結果、ガラス面でもある程度の追従性を実現しているのです。M240と同等の静音性を持ちながら、価格も手頃で、私にとってまさに完璧な代替品でした。

【比較表】M240 vs M-TM10BB|ガラスパッドユーザー向け
ガラスパッドで使うことを前提に、Logicool M240と私が選んだエレコム M-TM10BBを比較しました。
Logicool M240 | エレコム M-TM10BB | |
---|---|---|
センサー方式 | 光学式 (オプティカル) | BlueLED |
ガラスパッド対応 | × (全く反応しない) | ○ (快適に動作) |
アルミパッド対応 | ○ (非常に快適) | ○ (快適に動作) |
静音性 | ◎ (非常に静か) | ◎ (非常に静か) |
接続方式 | Bluetooth | Bluetooth |
価格帯 | 安価 (約2,000円台) | 手頃 (約3,000円台) |
こんな人におすすめ | 布やアルミパッドを使う人 | ガラスパッドを使いたい人 |
この比較から分かるように、M240はガラスパッド以外の環境では非常に優れたマウスです。しかし、もしあなたがガラスパッドの滑らかさやデザイン性を手に入れたいのであれば、エレコムのM-TM10BBのような対応マウスを選ぶことが、ストレスのないデスク環境への近道です。
まとめ
今回は、Logicool M240とガラスパッドの相性について、その理由と解決策を詳しく解説しました。
M240は、手頃な価格と優れた静音性で多くの人におすすめできる素晴らしいマウスですが、その光学式センサーの特性上、ガラスパッドとの相性は最悪です。これは製品の欠陥ではなく、仕様によるものです。
もしあなたがガラスパッドを愛用しているのであれば、M240ではなく、エレコムのM-TM10BBのようなガラス面に対応したセンサーを搭載するマウスを選ぶ必要があります。自分のデスク環境や使い方に合ったマウスを選ぶことが、日々の作業効率を上げ、快適なPCライフを実現する鍵となります。