ゲームの世界で高画質と高フレームレートを両立させるために欠かせない技術、それが「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」です。
特に4K解像度や高リフレッシュレートのゲームを楽しみたいゲーマーにとって、この技術を最大限に活用できるグラフィックボード(グラボ)の選択が重要となります。
本記事では、DLSSに対応したおすすめのグラボ5選を紹介しつつ、DLSSのメリットや、グラボを選ぶ際のポイントについても詳しく解説します。
DLSS対応グラボとは?

DLSS(Deep Learning Super Sampling)は、NVIDIAが開発した画期的な技術で、AIを活用してゲームの映像をアップスケーリングし、高解像度でのプレイを滑らかにするものです。
この技術に対応しているグラボは、DLSSの恩恵を受けることで、圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
特に、RTXシリーズのグラボに搭載されており、高画質と高フレームレートを両立させるために欠かせない存在となっています。
DLSSの動作原理
DLSSは、AIが事前に学習したデータを活用して、低解像度のフレームを高解像度に変換する技術です。具体的な動作原理を以下に説明します。
- レンダリング: まず、GPUは通常よりも低い解像度でフレームをレンダリングします。これにより、グラフィックカードへの負荷が軽減され、フレームレートが向上します。
- AIアップスケーリング: 次に、NVIDIAのAIモデルがこの低解像度のフレームを元に、細部を補完して高解像度の画像に変換します。このAIモデルは、何百万もの高解像度と低解像度の画像ペアをもとに訓練されています。
- シャープ化と細部復元: 最後に、AIが画像のディテールを調整し、テクスチャのシャープさやエッジの滑らかさを強化します。これにより、レンダリング時に発生する可能性があるぼやけた部分を修正し、美しい映像が完成します。
DLSSのメリット
DLSSの主なメリットは、AIを利用することで、従来のレンダリング技術よりも効率的に高画質な映像を生成できる点にあります。以下は、DLSSが提供する具体的な利点です。
- パフォーマンス向上: 低解像度でレンダリングするため、GPUの負担が大幅に減少します。これにより、より高いフレームレートを維持しながら、ゲームをスムーズにプレイできます。
- 高解像度対応: DLSSは、4Kや8Kといった高解像度のゲームプレイでも性能を発揮します。AIによって補完された映像は、元の低解像度よりもはるかに高画質で、ディテールも細かく描写されます。
- 視覚的品質の向上: アップスケーリングされた映像は、ギザギザが少なく、シャープで美しい仕上がりになります。特に、細かなテクスチャや遠景などが、より自然に描写される点が大きな特徴です。
- 低負荷: 高解像度のゲームを通常の方法でプレイするとGPUに大きな負担がかかりますが、DLSSを使えば、GPUの処理負荷を大幅に減らすことが可能です。これにより、安定したパフォーマンスが得られます。
DLSSのデメリット
DLSSは優れた技術ですが、全てにおいて完璧というわけではありません。いくつかのデメリットも存在し、これらを理解した上での選択が重要です。
- 対応ゲームが限られている: DLSSを利用できるゲームは、すべてのタイトルで対応しているわけではありません。NVIDIAが個別に対応するタイトルを拡充しているものの、最新のゲームや一部のジャンルに限られています。DLSSを活用したい場合は、対応ゲームを事前に確認する必要があります。
- 場面による画質の変動: AIによるアップスケーリングは、ほとんどの場合高品質な結果をもたらしますが、場面によっては若干の画質変動が発生することがあります。特に動きが激しいシーンやエフェクトが多い場面では、細部が若干ぼやけたり、AIが正確な補完を行えない場合があります。
- 初期設定が複雑な場合がある: DLSSを有効にするためには、ゲーム内での設定やドライバの最適化が必要です。初心者にとっては、この設定がやや煩雑に感じることがあります。また、最適なパフォーマンスを引き出すためには、GPUの設定やゲームのグラフィック設定を調整することも求められます。
おすすめDLSS対応グラボ5選

ここでは、DLSSに対応したおすすめのグラボを5つ紹介します。それぞれの特徴を理解し、ご自身の用途に合った機種を選びましょう。
Card | Architecture | CUDA Cores | Boost Clock | Memory | Memory Bus | Memory Speed |
---|---|---|---|---|---|---|
RTX 4090 | Ada Lovelace | 16,158 | 2.52 GHz | 24 GB GDDR6X | 384-bit | 21 Gbps |
RTX 4080 | Ada Lovelace | 9,728 | 2.52 GHz | 16 GB GDDR6X | 256-bit | 21 Gbps |
RTX 3080 Ti | Ampere | 10,240 | 1.67 GHz | 12 GB GDDR6X | 384-bit | 19 Gbps |
RTX 3080 | Ampere | 8,960 | 1.73 GHz | 10 GB GDDR6X | 320-bit | 19 Gbps |
RTX 3070 Ti | Ampere | 6,144 | 1.77 GHz | 8 GB GDDR6X | 256-bit | 19 Gbps |
NVIDIA GeForce RTX 4090
現時点で市場に出ている最高性能のグラボです。RTX 4090は、4K解像度でのゲーミングを最高の設定で楽しみたいユーザーに最適です。圧倒的なパフォーマンスにより、DLSS機能をフルに活用しながら、非常に高いフレームレートを維持します。

NVIDIA GeForce RTX 4080
RTX 4080は、RTX 4090に次ぐハイエンドモデルで、コストパフォーマンスのバランスが取れています。4Kゲーミングや高リフレッシュレートモニターと組み合わせて使用するのに適しており、非常に滑らかなプレイ体験を提供します。

NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti
RTX 3080 Tiは、前世代のフラッグシップモデルです。現在も高性能なグラボとして広く使用されており、4K解像度でのゲームを安定してプレイできます。最新のモデルに比べて価格が下がっている点も魅力です。

NVIDIA GeForce RTX 3080
RTX 3080は、RTX 3080 Tiの下位モデルですが、非常に高い性能を誇ります。1440p解像度でのゲーミングに最適で、DLSS機能により高フレームレートと高画質を両立します。コスパを考慮したい方におすすめです。

NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti
RTX 3070 Tiは中級モデルながら、非常に優れたパフォーマンスを発揮します。1440pゲーミングを快適に楽しむことができ、価格と性能のバランスが取れたモデルです。特にコストパフォーマンス重視のゲーマーに向いています。

DLSS対応グラボの選び方

DLSS対応グラボを選ぶ際には、自分の用途や環境に合わせた選定が重要です。
高性能なグラボほどゲーム体験が向上しますが、同時に価格や消費電力も高くなるため、どの要素を優先するかがポイントとなります。
以下では、予算、ゲームの解像度、リフレッシュレート、そして冷却性能という4つの要素について詳しく解説します。
予算
グラボ選びでまず考慮すべきなのは予算です。高性能なDLSS対応グラボは、ゲーム体験を大幅に向上させますが、価格も比例して高くなります。自分の予算に合った機種を選ぶことが大切です。
- ハイエンドモデル(10万円以上): NVIDIA GeForce RTX 4090、RTX 4080など。4K解像度で最高設定のゲームを快適にプレイできる超高性能モデル。最新技術をフル活用したいゲーマー向け。
- ミドルハイモデル(7〜10万円): RTX 3080 Ti、RTX 3080など。高解像度で快適にプレイでき、コスパが良い。1440pや高リフレッシュレートゲーミングにも最適。
- ミドルモデル(5〜7万円): RTX 3070 Tiなど。1440p解像度でのゲーミングを楽しむには十分な性能。予算を抑えつつ、DLSSの恩恵を受けたいユーザーに最適。
ゲームの解像度
ゲームをどの解像度でプレイするかによって、必要なグラボの性能が異なります。特に4K解像度を目指す場合、グラボにかかる負荷は非常に大きくなり、高性能なモデルが必須です。
- 4K解像度: 4K解像度では、膨大なピクセル数を処理するため、RTX 4090やRTX 4080のようなハイエンドモデルが推奨されます。DLSSによるアップスケーリングがあるとはいえ、ベースとなる処理性能が高いほどスムーズなプレイが可能です。
- 1440p解像度: この解像度であれば、RTX 3080やRTX 3070 Tiでも十分なパフォーマンスが期待できます。DLSSが効果的に働き、より高いフレームレートと快適な操作感が得られます。
- 1080p解像度: 1080pであれば、さらに低いスペックのグラボでも対応可能です。ただし、DLSS対応の最新技術を体感したいのであれば、RTX 3070クラス以上が推奨されます。
リフレッシュレート
使用するモニターのリフレッシュレートも、グラボ選びの重要な要素です。リフレッシュレートが高いほど、フレームレートもそれに応じた高い数値を維持する必要があり、そのためのグラボ性能が求められます。
- 240Hzモニター: 高フレームレートを維持するにはRTX 4080やRTX 4090が必要。FPSや対戦ゲームなど、競技性の高いタイトルを滑らかにプレイできます。
- 144Hzモニター: RTX 3080 TiやRTX 3080でも十分に対応可能です。特に1440pや1080pであれば、高リフレッシュレートを存分に活かせます。
- 60Hzモニター: 60Hzモニターでは、リフレッシュレートが比較的低いため、RTX 3070 Tiのようなミドルレンジモデルでも快適にプレイできます。
冷却性能
グラボはゲーム中に高負荷がかかると、非常に熱を持つため、冷却性能は重要な選択基準となります。特にハイエンドモデルは消費電力が高く、発熱量も大きいので、冷却がしっかりしたものを選びましょう。
- 冷却ファンの数: 多くのグラボは2つまたは3つの冷却ファンを搭載しています。ファンが多いほど冷却性能が高く、長時間のプレイでも安定した動作が期待できます。
- ヒートシンクの設計: 大型ヒートシンクを備えたモデルは、効率的に熱を放散することができます。特にRTX 4090やRTX 4080のような高性能モデルでは、ヒートシンクの大きさも冷却性能に影響します。
- 水冷モデル: 一部のグラボでは、空冷ファンに加えて水冷式のモデルも存在します。水冷はより効率的な冷却が可能で、静音性も高いです。
まとめ

DLSS対応グラボは、高画質と高フレームレートを同時に実現するための強力なツールです。今回ご紹介した5機種は、いずれも高性能で、DLSSの恩恵を最大限に引き出すことができます。
予算やプレイスタイルに合わせて、最適なグラボを選ぶことで、より快適なゲーミング体験を楽しむことができるでしょう。